大濠公園ランニング、1周の距離は実は2kmじゃない?

歩く福岡

福岡のランナーなら誰もが知る大濠公園。「1周2km」って聞いていたのに、GPS時計で測ると微妙に違う…そんな経験ありませんか?実は私も初めて走ったとき、15周したのに29.4kmしか表示されず、「え、あと600mどこで走るの?」と戸惑った記憶があります。今回は、大濠公園のランニングコースについて、実際の距離や走りやすさ、地元ランナーたちの暗黙のルールまで、正直にお伝えしていきます。

1周の正確な距離は1.96km、でもそれが絶妙にいい

大濠公園の周回コースは「約2km」と案内されていますが、正確には1.96km。40m短いんです。この微妙な差が、実は意外と重要でした。10km走ろうと思ったら、5周じゃなくて5周+200m必要になります。最初はこの計算が面倒に感じるかもしれません。

ただ慣れてくると、この「ちょっと足りない感じ」が絶妙なんです。コース上には100m毎に距離表示があって、2000mの表示は1周を超えた先にあります。内回りと外回りで別々に表示されているので、初めて走るときは少し混乱するかもしれません。私も最初「あれ?スタートはどこ?」ってなりました。

ちなみに、GPS時計で測ると走るラインによって距離が変わります。内側ギリギリを走れば1.94km、外側を走ると2.0kmを超えることもあります。正確な距離を測りたいなら、ジョギングレーンの真ん中あたりを走るのがおすすめです。

路面はゴムチップ舗装、ただし注意点もある

大濠公園の魅力としてよく挙げられるのが、ゴムチップ舗装の走路です。たしかにアスファルトより柔らかくて、着地の衝撃は和らぎます。

とはいえ、地元の速いランナーたちと話すと「実はロードより疲れる」って言う人も多いんです。理由は反発力の強さです。クッション性があるぶん、跳ね返りも大きくて、長距離を走ると意外と脚にきます。この感覚、実際に走ってみないと分からないかもしれません。

もう一つ注意したいのが、路面の傾斜です。周回コースは中央が高くなっているので、ずっと同じ方向に走っていると、片脚の外側ばかりに負担がかかるんです。700m地点付近には若干の上り坂もあって、完全フラットというわけでもありません。

初心者ランナーにとっては走りやすいコースだと思います。でも、スピード練習やロング走を繰り返すなら、たまにアスファルトのコースと使い分けたほうがいいでしょう。脚への刺激を変えることで、故障予防にもなります。

朝6時台の混雑具合は想像以上、でもそれがいい

大濠公園は「ランナーの聖地」と呼ばれるだけあって、とにかく人が多いです。特に土日の朝6時から10時はピークで、内周のジョギングレーンは混雑します。外側にサイクリングレーン、内側にウォーキングレーンがあって、真ん中がランニングレーンです。この棲み分けは一応できているんですが、犬の散歩をする人や子連れの家族も多くて、気を抜くと接触しそうになることもあります。

暗黙のルールとして、ほとんどのランナーは左回り(反時計回り)で走っています。右回りで走ってもルール違反ではないんですが、速いペースで走るなら左回りのほうが安全でしょう。右回りの場合は外側を走ったほうがいいです。

あと、これは本当に気をつけてほしいんですが、盗難がすごく多いんです。0m地点にある宝亭という屋根付きの休憩所に荷物を置いて走る人が多いんですが、貴重品が抜き取られる事件が頻発しています。私は車のキーと小銭だけポケットに入れて走るようにしています。ロッカーがないので、これは本当に注意したほうがいいと思います。

実業団選手も練習する理由、それは環境の良さ

西鉄陸上競技部や九電工の選手たちも、大濠公園で練習している姿をよく見かけます。なぜプロの選手たちがここを選ぶのか?

一つは距離の正確さです。GPS時計がなくても、100m毎の表示で正確にペース管理ができます。インターバル走やペース走には最適です。それと、夜も照明があるので、仕事帰りのランナーも安心して走れるんです。

もう一つは、周りにランナーが多いことです。モチベーションって環境に左右されると感じませんか?一人で黙々と走るより、同じようにトレーニングしている人たちがいると、自然と頑張れます。筑紫女学園高校の選手たちも練習に来ています。速い選手たちの走りを間近で見られるのは、市民ランナーにとってもいい刺激になりますし、フォームの参考にもなります。

ただし、スピード練習をするときは周りへの配慮が必要です。特に休日は一般の方も多いので、スピードを出しすぎると危険です。速く走りたいなら平日の早朝か、競技場を予約したほうがいいかもしれません。

走った後の楽しみ方も充実

大濠公園の魅力は走路だけじゃありません。コース沿いにスターバックスがあって、ガラス張りの店内からランナーの姿が見えます。走った後にここで休憩するのもいいですし、フォームチェックにも使えます。500mごとにトイレがあるのも助かります。清掃も行き届いていて、練習中に困ることはまずありません。水飲み場やストレッチスペースも点在していて、インフラは本当に整っています。

駐車場は7時から23時まで利用可能で、最初の2時間が220円です。ウォーミングアップからクールダウンまで2時間以内で終われば、比較的安く済みます。ただし休日は満車になることが多いので、早めに来るか、地下鉄の大濠公園駅を利用するのがおすすめです。駅から徒歩1分です。

余談ですが、隣接する福岡城跡や舞鶴公園も走れます。大濠公園だけだと単調になりがちなので、たまにコースを変えて城跡の石畳を走るのも気分転換になります。ちょっとしたトレイルラン気分も味わえます。

大濠公園は「ちょうどいい不完全さ」が魅力

1周1.96kmという中途半端な距離、完璧には脚に優しくない路面、朝の混雑、盗難のリスクなど大濠公園には欠点もあります。とはいえ、それを補って余りあるのが、整備された環境と、多くのランナーが集まる活気なんです。一人で走るのが苦手な人、モチベーションを保ちたい人には最高の場所だと思います。福岡に来たら、ぜひ一度走ってみてください。そして、荷物の管理だけは本当に気をつけてください。それさえ守れば、きっと良い練習ができるはずです。

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