福岡の都市構造、実はこうなってた話

歩く福岡

福岡市の都市計画マスタープランが改定されるって聞いて、ちょっと調べてみたんですよ。そしたら、普段何気なく暮らしてる福岡の街が、実は綿密に設計された「構造」を持ってることに気づいたんです。人口減少時代に突入する中で、福岡がどんな街づくりを目指してるのか。都市構造可視化ツールなんていう面白い仕組みも使いながら、データで見える福岡の姿を追ってみました。正直、見えてきたものは予想以上でしたね。

福岡市が描く「将来の都市構造」って何?

福岡市は平成26年に都市計画マスタープランを作って、令和5年から改定作業に入ってるんですけど、このプランの核心にあるのが「将来の都市構造」なんですよね。

要するに、福岡をどんな形の街にしていくかってビジョンです。天神・博多駅周辺を「都心」として、その周りに「地域拠点」を配置する。それらを公共交通でつなぐ。いわゆるコンパクトシティの考え方ですね。

ただ面白いのは、福岡って実は既にこの構造がある程度できあがってるんですよ。地下鉄が3路線走ってて、西鉄もJRもある。この恵まれた公共交通網を活かしながら、さらに効率的な街にしようとしてるわけです。

人口が増え続けてきた福岡だからこそ、今のうちに持続可能な構造を固めておこうって意図が見えますよね。ちなみに、都市構造可視化計画っていうウェブサイトで福岡のデータをチェックすると、駅周辺に人口が集中してる様子が一目瞭然なんです。Google Earth上で立体的に表示されるんで、見てるだけでも結構楽しい。

データから見えてきた福岡の姿

都市計画基礎調査のデータを可視化したものを見てると、福岡市の特徴がはっきり見えてくるんです。

まず目立つのが、天神・博多エリアの圧倒的な密度。高さで人口を表示すると、このエリアだけニョキっと飛び出してる感じなんですよね。当たり前っちゃ当たり前なんですけど、数字で見ると改めて「すごいな」って思いました。逆に、市の東部や西部は意外と低密度なんです。

公共交通の利用圏も可視化されてて、駅やバス停から800メートル圏内がどれくらいカバーしてるかが分かります。福岡市は比較的カバー率が高いんですけど、それでも郊外部では車がないと厳しいエリアがあるんですよね。このギャップ、あなたの住んでる地域でも感じませんか?

あと、個人的に気になったのが空き家の分布です。飯塚市のデータも公開されてたんですが、地方都市ほど空き家率が高い傾向がはっきり出てました。福岡市内でも、古い住宅地では今後空き家が増える可能性があって…これ、他人事じゃないなと。

田川市の事例から学ぶ「地方の現実」

福岡県内の他の自治体も見てみたんですよ。特に印象的だったのが田川市。

田川市は都市構造再編集中支援事業っていう国の制度を使って、伊田駅周辺の再整備を進めてるんですね。令和2年から6年度までの計画で、立地適正化計画に基づいて都市機能を集約しようとしてる。要するに「選択と集中」です。正直、地方都市の厳しさがここに凝縮されてる気がしました。

人口減少が進む中で、全てのエリアに均等に投資するのは不可能なんですよね。だから駅周辺に機能を集めて、そこに住んでもらう。そういう戦略です。とはいえ、言うほど簡単じゃないと思うんですよ。昔から住んでる人たちに「駅の近くに引っ越してください」なんて言えないし。

だからこそ、公共交通の充実とか、既存の市街地の魅力向上とか、地道な取り組みが大事になってくる。可視化ツールは、そういう「どこに力を入れるべきか」を判断する材料になってるわけです。

可視化ツールが変える都市計画の現場

都市構造可視化計画のサイトを見てて思ったのは、「これ、昔じゃ考えられなかったよな」ってことなんですよね。

一昔前なら、都市計画って専門家だけのものだったじゃないですか。分厚い資料と複雑な図面を読み解ける人しか議論に参加できなかった。ところが今は、Google Earth上でクリックするだけで、誰でも自分の街のデータを見られる。これ、めちゃくちゃ民主的だと思いませんか?

実際、北九州市や宗像市では、中学生向けの出前授業でこのツールを使ってるらしいんです。自分の街がどうなってるか、データで見せながら教える。そうすると子どもたちも「へー、うちの街ってこうなってるんだ」って実感できる。意外と知られていませんが、こうした教育現場での活用が、将来の街づくりを担う世代に都市計画の視点を持ってもらう第一歩になってるんですよね。

もちろん、データが全てじゃないですよ。数字に表れない「街の記憶」とか「コミュニティの絆」とか、大事なものはたくさんある。ただ、感覚だけで議論するより、データを見ながら「じゃあどうする?」って話し合う方が、建設的な結論に辿り着きやすいのも事実かなと。

福岡の街、これからどう変わっていくんだろう

福岡市の都市計画マスタープラン改定案が、今パブリックコメントを募集してるんですよね。令和7年11月19日まで。

個人的には、福岡の将来に期待半分、不安半分って感じです。人口が増えてるうちはいいんですけど、いずれ減少に転じたとき、今の都市構造で本当に持続できるのか。特に郊外の住宅地とか、高齢化が進んだらどうなるんだろうって。

ただ、少なくとも福岡は「考えて」動いてるなって印象はあります。データを集めて、可視化して、市民に見せて、意見を聞く。このプロセスを踏んでる時点で、何も考えずに開発を進めてきた時代とは違うんですよね。

あなたの住んでる街は、どんな都市構造を持ってますか?もし気になったら、都市構造可視化計画のサイトをちょっと覗いてみるといいかもしれません。自分の街を上から眺めてみると、普段気づかなかったことが見えてくるかもしれませんよ。少なくとも僕は、福岡の見方がちょっと変わりました。

データと人の目、両方で街を見る

福岡の都市構造について調べてみて、改めて思ったのは「街づくりって地道だな」ってことです。派手なランドマークを作ることだけじゃなくて、データを集めて分析して、少しずつ調整していく。その積み重ねなんですよね。

可視化ツールは確かに便利だし、これからの都市計画には欠かせないものになるでしょう。とはいえ結局、その街に住む人たちが「どんな街にしたいか」を考えることが一番大事なのかなって。福岡がこれからどう変わっていくのか、一市民として見守りつつ、できれば少しでも関わっていけたらいいなと思います。

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