博多ラーメン「粉落とし」の正体―湯気通し、ナマ、その順番とは

感じる福岡

博多ラーメンを注文すると「麺の硬さは?」と聞かれます。バリカタくらいは知っていても、その先にある「粉落とし」「湯気通し」「ナマ」となると、正直どれがどれだか混乱しませんか? 実は私も最初は全く分からず、適当に答えて後悔したことがあります。今回は、博多ラーメンの麺の硬さについて、その順番や意味を整理しつつ、実際に食べた人の感想や注意点も含めてお伝えします。

麺の硬さ、どこまで知ってる?

博多ラーメンといえば細麺と豚骨スープ、そして麺の硬さが選べることで有名です。「普通」「硬め」「柔らかめ」あたりは多くの方がご存知でしょう。ただ、実はその先にもっと細かい選択肢が存在するんです。

たとえば「バリカタ」。博多弁で「すごく」を意味する「バリ」がついたこの硬さは、福岡以外のラーメン店では最も硬い設定になっていることが多いです。茹で時間はだいたい15〜20秒程度です。麺の芯が残り、歯応えがしっかりしています。

小麦の風味も感じられるので、硬めが好きな方には人気の選択肢です。しかもその上には「ハリガネ」があります。名前の通り針金のように硬く、茹で時間は7〜15秒ほど。ここまでくると、もはや一般的な「硬め」とは次元が違う世界です。麺好きな常連さんや、硬い食感を追求する方に選ばれる硬さと言えます。

でも、実はこれでも終わりじゃないんです。

「粉落とし」とは何なのか

ハリガネよりさらに硬い選択肢として存在するのが「粉落とし」です。茹で時間はわずか3〜7秒程度。文字通り、麺についた打ち粉を落とす程度にお湯にくぐらせるだけ、という硬さになります。

正直、初めて聞いたときは「え、それって食べられるの?」と疑問に思いました。実際、粉っぽさはないものの、麺の芯はほとんど残ったままです。硬めが好きな方でも「硬すぎる」と感じるレベルだそうです。

お店によっては「カキアゲ」と呼ぶこともあるらしく、メニューに表記していない場合も多いです。常連さんや、とにかく硬い麺を追求したい方向けの、いわば上級者向けの選択肢と言えるでしょう。ちなみに地元の方でも注文している人はかなり少ないとのこと。私も福岡の友人に聞いたことがありますが、「周りで頼んでる人見たことない」と言っていました。

粉落としを食べた方の感想を聞くと「麺というより生の小麦を噛んでいる感じ」「スープをよく吸うので味が濃く感じる」という声があります。半生のような食感が好きな方や、替え玉で試してみたい方には面白い体験かもしれません。とはいえ、胃腸が弱い方は注意が必要です。

さらに上がある「湯気通し」と「ナマ」

おまけに驚くべきことに、粉落としの上にはまだ選択肢があります。それが「湯気通し」と「ナマ」です。

湯気通しは、その名の通り湯気に通すだけ、あるいはほんの1〜3秒程度お湯にくぐらせる程度です。もはやほぼ生麺に近い状態で提供されます。粉っぽさもあり、小麦の風味というより「小麦そのもの」を食べているような感覚だとか。想像できますか?

そして「ナマ」。これは茹で時間ゼロ秒、つまり本当に生のまま提供される、という究極の選択肢です。ただし、これについては提供しているお店はごく限られますし、実際には衛生面や健康面から少しだけお湯に通している場合もあるようです。というのも、小麦粉は生のままだと消化しづらく、お腹を壊す可能性があるからなんです。

あるラーメン店の店長さんは「生麺を一度試したけど無理だった」と正直に語っており、結局少しだけお湯に通すようにしたとのこと。麺の太さによっても変わるそうで、極細麺ならスープの温度である程度火が通るかもしれない、という話もあります。

とはいえ、湯気通しやナマはかなり挑戦的な選択肢です。初めて博多ラーメンを食べる方や、胃腸に自信のない方には正直おすすめできません。

硬さの順番を整理すると

ここで改めて、博多ラーメンの麺の硬さを柔らかい順から整理してみましょう。

バリやわ(ズンダレ)→ やわ(柔らかめ)→ 普通 → カタ(硬め)→ バリカタ → ハリガネ → 粉落とし → 湯気通し → ナマ

こうして並べると、選択肢の多さに驚きます。普通のラーメン店では「普通」から「バリカタ」あたりまでを用意していることが多く、それ以上の硬さは常連向けの隠しメニュー的な位置づけになっていることが多いようです。

茹で時間で見ると、普通が45〜70秒、硬めが20〜45秒、バリカタが15〜20秒、ハリガネが7〜15秒、粉落としが3〜7秒、湯気通しが0〜3秒、といった感じです。お店によって多少の違いはありますが、おおよその目安として覚えておくと良いでしょう。

あと余談ですが、博多ラーメンの麺は細いため、茹でる際にタイマーを使わないことが多いそうです。10秒、20秒という短時間だとタイマーが面倒なので、職人の感覚で茹で加減を判断しているそうです。長年の経験があるからこそできる技ですね。

注文するときに気をつけたいこと

では、実際にお店で麺の硬さを注文するとき、どう選べば良いのでしょうか。

まず初めて博多ラーメンを食べる方には「普通」か「硬め(カタ)」をおすすめします。お店が一番美味しいと考える茹で加減が「普通」ですし、博多ラーメンらしい歯応えを楽しみたいなら「硬め」が良いでしょう。

バリカタ以上の硬さに挑戦したい場合は、まず替え玉で試してみるのが賢明です。1杯目は普通やカタで食べて、2杯目でバリカタやハリガネに挑戦する。そうすれば、万が一「硬すぎた!」となっても、最初のラーメンは楽しめていますから。

粉落としや湯気通しを頼む場合は、店員さんに「本当に硬いですけど大丈夫ですか?」と念を押されることもあります。そこで無理せず、不安なら一段階柔らかいものにするのもアリです。

実際、地元福岡の方でも粉落としや湯気通しを注文している人はほとんど見かけない、という声もあります。それと、お腹の調子が悪いときや、胃腸が弱い自覚がある方は、硬すぎる麺は避けた方が無難です。消化に時間がかかりますし、人によってはお腹を壊すこともあるようです。

自分の好みを見つける楽しみ

博多ラーメンの麺の硬さは、本当に奥が深いです。バリやわから湯気通し、ナマまで、その選択肢の幅広さには驚かされます。ただ、硬ければ硬いほど良い、というわけでもありません。

大切なのは自分の好みに合った硬さを見つけることです。最初は普通やカタから始めて、少しずつ硬さを試していくのが良いでしょう。替え玉のシステムを使えば、1回の来店で複数の硬さを楽しむこともできます。博多ラーメンを食べる際は、ぜひ麺の硬さにも注目してみてください。きっと新しい発見がありますよ。

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