福岡といえば、やっぱり祭りでしょう。春夏秋冬、年間を通じて様々な祭りが開催されていて、地元の人も観光客も一緒になって楽しめます。どの祭りに行けばいいのか迷うほど種類が豊富です。今回は、博多三大祭りをはじめ、伝統的なものから現代的なものまで、福岡の祭りの種類を詳しくご紹介します。あなたも福岡の熱気を体感してみませんか?
春を彩る「博多どんたく港まつり」は市民総参加の大イベント
5月3日・4日になると、福岡の街全体がお祭りムード一色になります。それが「博多どんたく港まつり」です。語源はオランダ語の「ゾンターク(休日)」で、約840年前の博多松囃子がルーツというから驚きです。毎年200万人以上が訪れる国内屈指の祭りで、何がすごいかというと、市民総参加型というところなのです。
華やかな花自動車が市内を走る光景も印象的です。LED電飾に彩られた車両が夜の街を幻想的に照らす様子は、まさにフォトジェニックです。ちなみに、どんたくは「見る祭り」じゃなくて「参加する祭り」で、飛び入り参加OKの総踊りなので、あなたも博多っ子の一員になれるかもしれません。
見どころは明治通りで行われる「どんたく隊」のパレードです。企業や学校、地域のグループなど様々な団体が、色鮮やかな衣装で個性的なパフォーマンスを繰り広げます。しゃもじを持って「どんたく、どんたく」とリズムを刻む姿は、博多ならではです。さらに市内約30カ所に設置される舞台では、誰でも自由に参加できる「総踊り」も開催されます。
夏の風物詩「博多祇園山笠」は男たちの勇壮な祭り
7月になると、福岡の男たちは山笠モードに突入します。「博多祇園山笠」は1241年から続く伝統行事で、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。疫病退散を祈って始まったこの祭り、今でも博多の誇りとして大切に受け継がれています。
7月1日から市内14ヶ所に飾り山笠が設置されます。高さ10mを超える豪華絢爛な飾りは、まるで動く芸術作品です。表と裏で異なるテーマが表現されていて、毎年工夫を凝らした装飾が見られます。
山笠の真骨頂は何といっても「追い山」でしょう。15日早朝4時59分、大太鼓の合図とともに一斉にスタートする舁き山笠です。褌姿の男たちが「オイサ!オイサ!」の掛け声とともに、重さ1トンもある山笠を担いで博多の街を全力疾走する姿は圧巻です。この迫力、一度見たら忘れられません。
博多弁で「博多んもんは山笠のあるけん頑張れる」と言われるほど、地元民にとって特別な祭りなのです。この期間中は博多の企業や学校が休みになることもあるとか、それだけ地域に根ざした祭りということですね。
秋の風物詩「放生会」は露店文化も楽しめる祭典
9月12日から18日まで、筥崎宮で開催されるのが「放生会(ほうじょうや)」です。これが福岡の秋の風物詩です。「万物の生命を慈しみ、秋の実りに感謝する」という意味があり、1000年以上続く歴史ある神事です。楽しい露店目当てで行く人も多いんのではないでしょうか。
約1kmの参道に500軒もの露店がびっしり並ぶ光景は、まさに圧巻です。お化け屋敷、射的、ヨーヨー釣り、新ショウガなど昔懐かしい露店から最新グルメまで、歩いているだけでワクワクします。期間中は延べ100万人が訪れるということから、その規模がわかります。放生会名物といえば「社日餅(やきもち)」。白餅とよもぎ餅の二種類があり、外はモチモチ、中は甘さ控えめの粒あんです。素朴な味わいが癖になります。
2年に1度の御神幸(御神輿行列)も見逃せません。約500名の氏子が奉仕する厳粛な行列は、博多の伝統を肌で感じられる貴重な機会です。着物姿で参拝する人も多くて、とても良い雰囲気です。
冬の「十日恵比須」と「玉せせり」は新年を彩る伝統行事
福岡の祭りの種類は、冬も充実しています。まず1月8日から11日まで開催される「十日恵比須」は、商売繁盛を願う人々で賑わう恵比須神社の正月行事です。とくに9日の「徒歩詣り」は必見です。博多芸妓さんたちが艶やかな着物姿で参拝する様子を一目見ようと、カメラを持った人たちが集まります。夜遅くまで参拝者が絶えないのも、この祭りの特徴かもしれません。
同じく1月3日に筥崎宮で行われる「玉せせり」も見応え十分です。締め込み姿の男たちが、木製の玉を奪い合う勇壮な祭りです。触れると悪事災難を逃れ幸運を授かるといわれる玉をめぐって、激しい争奪戦が繰り広げられます。最後に奪った競子が浜側なら大漁、陸側なら豊作という占いの要素もあって、地元の人たちは真剣そのものです。真冬の寒空の下、熱気あふれる男たちの姿を見ていると、こちらまで身が引き締まる思いがします。この寒さと熱気のコントラストが玉せせりの魅力なのでしょう。福岡の冬の祭りは、寒さを忘れさせてくれる熱いイベントばかりです。
地域ごとに個性光る!福岡県内の多彩な祭り文化
博多三大祭り以外にも、福岡県内には魅力的な祭りがたくさんあります。北九州市の「小倉祇園太鼓」は、全国的にも珍しい両面打ちの太鼓が特徴です。山車の前後に据えた太鼓を歩きながら打つ姿は、迫力満点です。太鼓芸初の国指定重要無形民俗文化財に指定されているというからも、その価値がわかります。
同じく北九州の「戸畑祇園大山笠」は、昼と夜で山笠の姿が変わるユニークな祭りです。昼間の幟大山笠が、夕刻には309個の提灯を組んだ「光のピラミッド」に変身する様子は圧巻です。夜空に浮かび上がる提灯山笠は、まるで幻想的なアート作品のようです。意外と知られていませんが、この提灯の組み方には熟練の技が必要で、職人技を間近で見られるチャンスでもあります。
久留米市の「筑後川花火大会」は350年以上の歴史を持ち、九州屈指の人気花火大会です。関門海峡花火大会は、山口県下関市との合同開催で15,000発もの花火が打ち上げられます。ちなみに、柳川の「さげもんめぐり」は2月から4月にかけて開催される春の行事です。色とりどりの吊るし飾りと雛人形が、水郷柳川を華やかに彩ります。このように福岡の祭りの種類は挙げればきりがないほど豊富です。地域ごとに独自の伝統と工夫があって、どの祭りも個性的なのです。あなたの興味に合わせて選べるのも、福岡の祭り文化の魅力といえるでしょう。
福岡の祭りで感じる、伝統と革新の調和
福岡の祭りの種類を見てきましたが、いかがでしたか?博多どんたく、博多祇園山笠、放生会の三大祭りから、地域色豊かな個性的な祭りまで、本当に多彩です。春夏秋冬、年間を通じて何かしらの祭りが開催されているので、いつ訪れても楽しめるのが福岡の魅力になっています。伝統を大切にしながらも、現代的な要素を取り入れて進化し続ける祭り文化は、まさに福岡らしいと言えるかもしれません。観光で訪れるもよし、地元民として参加するもよし、あなたも福岡の祭りで、博多っ子の熱気と人情を体感してみてください。きっと、忘れられない思い出になるはずです。

