「福岡と東京、どっちがいいの?」この質問は、本当によく聞かれます。就職や転勤で悩んでいる人も多いはずです。実は私の周りにも、両方の街を経験した友人が何人かいて、彼らの話を聞いていると面白い発見がたくさんあるのです。家賃や食べ物の違いはもちろん、意外なところにも大きな差があったりします。今回は、そんなリアルな違いを率直にお伝えしていきます。
家賃の差は想像以上。でも単純比較できない理由
まず誰もが気になる家賃の話からします。これ、本当に差があるんです。東京の山手線内側で1Kを借りようとすると、安くても7万円台後半からですが、福岡の中心部なら同じ予算で1LDKが普通に見つかります。
ここで「じゃあ福岡の方が断然お得じゃん」と単純に考えるのは早いかもしれません。というのも、東京は給与水準も高いのです。特に大企業や専門職だと、地域手当が上乗せされることもあり、福岡の平均年収が379万円に対して、東京は455万円です。この差は大きいです。
とはいえ、手取りで考えると福岡の方が余裕が持てる人は多いでしょう。家賃が安い分、趣味や貯金に回せるお金が増えます。
福岡は通勤時間も短い傾向にあって、時間的な余裕も生まれやすいのです。この「時間の余裕」は、お金には換算できない価値があります。私の知人は、東京時代は片道1時間半の通勤だったのが、福岡では30分になって「人生が変わった」と言っていました。毎日往復2時間の差は確かに大きいです。
食文化の違い、思った以上に奥が深い
福岡と東京の違いを語るとき、食べ物の話は外せません。「福岡は美味しい店が多い」という一般論ではなく、もう少し具体的に見ていきましょう。
福岡の特徴は、適当に入った店でもそれなりに美味しいことです。これ、本当にそうなのです。地元の友人が「外れを引く確率が低い」と言っています。一方で東京は、良い店と微妙な店の差が激しい印象があります。観光客向けの店とか、立地だけで勝負している店も正直多いです。
物価については、コンビニやチェーン店はほぼ同じです。ただ個人店の飲食は福岡の方がコスパが良いケースが多いです。500円台でしっかりしたランチが食べられる店も珍しくありません。
うどんとそばの文化も面白い違いです。福岡ではうどんが圧倒的に日常食です。しかも、コシがほとんどない柔らかいうどんが主流なのです。讃岐うどんに慣れている人は最初びっくりするかもしれません。東京はそば文化が根強くて、立ち食いそば屋も街中に普通にあります。
それと意外だったのが醤油の味です。福岡の醤油は甘めです。最初は違和感があるかもしれませんが、慣れるとこれがクセになります。天津飯も、西日本は甘い餡、東日本は酸っぱい餡と、同じメニューでも全然違う食べ物になっています。余談ですが、カップ麺の味付けも東西で微妙に違うものがあるらしく、食文化の違いというのは本当に奥深がいです。このような細かな違いは、住んでみないと分からないものです。
仕事と生活、どちらを優先するかで変わる選択
この点が一番悩ましいところかもしれません。
東京の強みは、やはり仕事の選択肢の多さです。特に専門職や大企業志望なら、東京一択という場合も多いでしょう。IT、金融、広告、メディアなど、多くの業界で日本のトップ企業が集まっているのは事実です。キャリアアップを考えるなら、東京にいた方が有利な場面は確実にあります。
でも、それと引き換えに失うものも大きいのも事実です。満員電車、長い通勤時間、高い家賃などです。しかも、これは個人差がありますが、東京の人の多さに疲れてしまう人も一定数います。常に周りに人がいる状況って、想像以上にストレスになることもあります。
福岡は仕事の選択肢こそ東京より少ないものの、九州の中では圧倒的に求人が多い都市です。地方都市の中では生活と仕事のバランスが取りやすい環境だと言えるでしょう。それと、福岡には独特の「ゆるい連帯感」みたいなものがあるという話も聞きます。99%の市民が「福岡が好き」と答えるアンケート結果もあるくらいで、街全体に愛着を持っている人が多いのです。この雰囲気が合うかどうかは、実際に住んでみないと分からない部分かもしれません。
東京には東京の、福岡には福岡の良さがあるという当たり前の結論ですが、結局は自分が何を優先したいのかです。
住んでみて気づく細かな違い
最後に、住んでみて初めて気づくような細かい違いをいくつかお伝えします。
まず、福岡はゴミ袋が有料で指定制です。東京では透明な袋なら何でもOKだったりするので、福岡に来た人は最初戸惑うかもしれません。逆に、全国的には福岡の方が一般的らしいです。
バスの乗り方も違います。福岡は後ろから乗って前から降りる、距離で料金が変わる方式です。東京は前から乗って後ろから降りる、均一料金です。細かいけど、知らないと確実に戸惑います。こんな経験、ありませんか?
それから、福岡の人は意外と地元球団への愛が強いのです。ホークスのグッズを身につけている人を街中でよく見かけます。東京でも巨人ファンは多いようですが、ここまで街全体で応援している感じはあまりないかもしれません。
気候の話もしておくと、福岡は九州だから暖かいイメージがあるかもしれませんが、冬は普通に寒いです。最低気温が氷点下になることもありますし、雪が降ることだってあります。東京と大きく変わらないと思っておいた方がいいでしょう。ちなみに、「ひよ子」は福岡発祥のお菓子なのですが、東京土産として定着しているという不思議な現象もあります。これ、福岡の人からすると複雑な気持ちらしいです。
結局、どっちがいいの?という問いへの答え
福岡と東京、どちらが優れているという話ではありません。キャリアを最優先するなら東京、生活の質を重視するなら福岡と一概には言えなくて、福岡でも充実したキャリアを築いている人はたくさんいますし、東京でも工夫次第で快適に暮らせます。
大事なのは、自分が何を大切にしたいかをはっきりさせることです。通勤時間を短くして趣味の時間を増やしたいのか、それとも仕事で大きな挑戦をしたいのか、というように自分の気持ちを見極めることが大事だと思います。
どちらの選択も正解です。もし可能なら、短期間でも両方の街に滞在してみると、自分に合う方が見えてくるかもしれません。あなたはどちらの街に魅力を感じますか?

