福岡の教育環境、実際どう?地元民が語るリアル

暮らす福岡

福岡への移住を考えたとき、真っ先に気になるのが子どもの教育環境です。私も東京から福岡に引っ越すとき、「九州の地方都市って、教育レベル大丈夫かな?」と、かなり悩みました。でも実際に住んでみると、想像以上に充実していて驚いたのです。今回は、データだけでは見えてこない福岡の教育環境のリアルな姿をお伝えします。

九州唯一の教員養成拠点、福岡教育大学の存在

福岡には九州で唯一の教育大学「福岡教育大学」があります。これは結構大きいポイントなのです。

教育大学があるということは、優秀な教員志望の学生が集まり、最新の教育研究が行われているということです。実際、福岡教育大学は毎年全国トップクラスの教員採用試験合格率を誇っていて、2024年の調査でも上位にランクインしています。

面白いのは、この大学が附属学校を3拠点(福岡・小倉・久留米)に持っていて、2025年には「フューチャークラスルーム」という未来型ICT学習環境を全拠点に導入し、最先端の教育実践を始めました。ICTと教室空間を融合させた学びの場で、ハイフレックス型授業などもできるそうです。

こういう教育のイノベーションが身近にある環境は、地域全体の教育水準を底上げする効果があるのではないかと個人的には感じています。附属校だけではなく、その成果が地域の公立校にも波及していく可能性があります。

住む場所で変わる?福岡市内の教育エリア事情

福岡市内でも、エリアによって教育環境はかなり異なります。これ住む場所を選ぶときに知っておくと便利です。

百道浜や西新あたりは、昔から「教育熱心なエリア」として知られています。修猷館高校という福岡トップクラスの進学校が近くにあることもあって、中学受験を考える家庭が多いのです。ただ、その分競争が激しいというか、ちょっとピリピリした雰囲気を感じることもあるかもしれません。東京の文京区に似た感じと言えば伝わるでしょうか。

逆に、姪浜や愛宕浜あたりは、もう少しのんびりした雰囲気です。地下鉄も通っていて生活しやすいし、教育環境も悪くありません。「ガリガリ勉強させるより、バランスよく育てたい」という家庭には合っているかもしれません。

糸島方面はさらに自然豊かです。海や山に囲まれて、のびのび育てられる環境ですが、通学や塾通いのことを考えると車は必須です。教育レベル的には市内中心部より少し落ちるかな、という印象ですが、環境を重視するならアリだと思います。

ちなみに、博多区や南区も意外と住みやすいという声を聞きます。「教育レベルが良すぎず悪すぎず、ちょうどいい」などと言う教師の友人もいました。

福岡県が力を入れる環境教育と実践的な学び

福岡県全体として、環境教育にもかなり力を入れています。福岡県環境教育学会という組織があって、毎年児童生徒の優れた環境教育の発表を表彰しています。

たとえば2025年の年会では、福岡工業大学附属城東高校の「FJプロジェクト」や、柏陵高校の五ヶ山ダムビオトープの生物調査どが表彰されていました。高校生が主体的に環境問題に取り組む姿勢を評価する仕組みがあるのはいいことです。

県としても「環境教育ガイド」というものを作成していて、学校で環境教育を実践するための人材派遣や教材提供、施設情報などを公開しています。こういう取り組みは一見地味ですが、長い目で見れば子どもたちの視野を広げる大事な要素だと感じます。

それと、福岡教育大学では環境に配慮した取り組みも積極的です。LED照明の導入、太陽光発電、エネルギー使用の見える化など、大学自体が環境教育の実践の場になっています。子どもたちが「大学ってこういう場所なんだ」と感じられる環境があるのは、将来の進路選択にも影響するかもしれません。

住んでみて分かった、福岡のいいところ

データや制度の話ばかりしてきましたが、実際に暮らしてみて感じる「いいところ」も伝えたいと思います。

まず、都会すぎず田舎すぎない、ちょうどいいバランスというところです。東京みたいに「小学生から塾漬け当たり前」という圧力は少ないのです。もちろん、教育熱心なエリアもありますが、全体的にはもう少しゆとりがある感じで、自然も近いから、休日に糸島の海や山に遊びに行くのも簡単なんです。

教育大学や附属校があることで、教育関係のイベントや公開授業も多いのです。「こういう教育もあるんだ」という発見があって、親としても勉強になります。こういう機会、意外と貴重だと思いませんか?

物価が東京より安いのも大きいです。同じ教育費をかけるなら、福岡の方がいろいろな習い事や体験活動にお金を回せ余裕ができるかもしれません。

そういえば福岡大学は、充実したキャンパスを持っていて、子どもが大きくなったときの選択肢も豊富です。わざわざ県外に出なくても、質の高い高等教育を受けられる環境が整っているのは安心材料かなと思います。あまり知られていませんが、福岡は大学進学率も全国平均より高めなのです。

結局、福岡の教育環境ってどうなの?

福岡の教育環境は、正直「悪くない」どころか「かなりいい」と思います。九州唯一の教育大学があり、最新の教育実践が行われ、環境教育にも力を入れています。エリアによって雰囲気は違いますが、自分の家庭の方針に合った場所を選べる選択肢の広さがあります。

東京のような過度な競争はなく、とはいえ教育の質は決して低くありません。自然も近くて、子どもがのびのび育つ環境も整っています。移住を考えているなら、一度実際に訪れて、街の空気を感じてみるといいかもしれません。データだけでは分からない「住みやすさ」が、きっとあなたにも伝わるはずです。

タイトルとURLをコピーしました