福岡ドライブが人気な理由は「ほどよい距離感」にあった

出かける福岡

福岡でドライブが人気なのには、ちゃんとした理由があるのです。都心から30分で海も山も楽しめる地理的条件、SNS映えするスポットの密集度、それからグルメの豊富さ。一番の理由は、実は「ちょうどいい距離感」にあるのだと思います。疲れすぎない、飽きない、それでいて非日常を味わえるという、そんな福岡ドライブの魅力を、現地の空気感とともにお伝えします。

都心から30分で「映える景色」に到着できる秘密

福岡市の中心部から車で走り出すと、驚くほどすぐに景色が変わります。

天神や博多を出発して約30分で糸島エリアに入ると、目の前には玄界灘の青い海が広がるんです。桜井二見ヶ浦の白い鳥居、椰子の木ブランコ、ジハングンのカラフルな自販機オブジェなど、これらのフォトジェニックなスポットが、ほぼ同じエリアに集中しています。この効率の良さ、他ではなかなかないと思います。

福岡の場合、午前中に市内で用事を済ませて、午後から糸島でサンセットを楽しむというプランも十分可能なのです。しかも、意外と知られていないのが道路状況の良さです。西九州自動車道や202号線バイパスが整備されているおかげで、渋滞にハマることも少ないのです。ストレスフリーに景色を楽しめることは、ドライブの満足度を大きく左右します。移動そのものが苦痛にならないことは本当に大事なポイントだと思います。

「食」が充実しているから、ドライブの目的が明確になる

ドライブっては「何をしに行くか」が曖昧だと途中で飽きてしまいがちです。

福岡の場合、その心配がほぼありません。なぜなら、行く先々でグルメという明確な目的があるからです。太宰府の梅ヶ枝餅、糸島の牡蠣小屋、篠栗のうどん、宗像の新鮮な魚介などエリアごとに「これを食べるために来た」と言える名物があるのです。

ドライブインという文化も根強く残っています。たとえば太宰府市の「ドライブイン かかし」では、骨付きモモ炭火焼定食が圧倒的な人気。親鳥を一本丸ごと使った迫力ある料理に、無限おかわり可能な麦飯とボリューム満点で、ドライブの疲れを吹き飛ばしてくれます。

それと、田川郡の「ドライブイン かわら」も面白く朝6時半から営業していて、通勤前に立ち寄る地元民で賑わっているます。かけうどんにたっぷりのネギと天かすを入れて、さらにたこ焼きをスープに沈めて食べる人もいるそうです。ちょっと変わった食べ方ですけど、これが地元流なのでしょう。

こうした「地元民に愛される店」がドライブルート上に点在しているって、かなり恵まれた環境だと思いませんか?観光地のお高いレストランじゃなく、リアルな地域の味に出会えることがドライブの楽しさを何倍にも膨らませてくれます。

「疲れすぎない距離感」が、ドライブを日常に変えた

福岡ドライブの最大の魅力は、実は「ちょうどいい距離感」にあるとといえます。

東京で海を見に行くなら湘南や房総まで。大阪なら和歌山や淡路島まで。それなりの覚悟と時間が必要です。でも福岡の場合、「ちょっと海見に行こうか」が本当に「ちょっと」で済むのです。片道30分なら、往復1時間。現地で2時間過ごしても、半日もあれば十分に楽しめます。

この気軽さが、ドライブを特別なイベントから日常の延長線上に変えました。週末の予定が急に空いたとき、仕事終わりに夕日を見たくなったとき。そんな空いた時間に「じゃあドライブ行く?」と言える距離のです。

実際、糸島エリアは福岡市民にとって「近所のおしゃれスポット」みたいな感覚らしいです。デートでも家族でも、気負わず訪れられて、それでいて非日常感はしっかり味わえます。

この絶妙なバランスが、福岡ドライブの人気を支えているのだと思います。福岡のドライブルートは「詰め込みすぎない」のがいいのです。無理に観光地を何箇所も回らなくても、カフェで海を眺めながらゆっくりするだけで満足できる。そういう「何もしない贅沢」を楽しめる余白があるのです。

SNS時代が福岡ドライブを「見せる文化」に変えた

インスタグラムやTikTokの普及が、福岡ドライブの人気に拍車をかけたのは間違いないでしょう。

糸島の「天使の羽」「椰子の木ブランコ」「ジハングン」。これらは明らかに「撮られること」を意識した作りになっています。特にジハングンは、自販機が並ぶオブジェに巨大ブランコやハート型フレームなど完全にフォトスポットとして設計されています。

ただ、これを「作られた観光地」と批判するのは簡単です。私自身、最初は「また映えスポットか」と少し冷めた目で見ていました。とはいえ、実際に訪れてみると考えが変わりました。確かに「映え」を意識した場所ではあるけれど、そこに集まる人たちが本当に楽しんで友達同士で笑いながら撮影したり、家族で記念写真を撮ったりしているその光景を見ていると、別にそれでいいのじゃないかと思えてきます。

観光って、もともと「日常とは違う体験」を求めるものです。その形が、以前は「歴史的建造物を見る」だったのが、今は「自分が被写体になる」に変わってきました。時代に合わせて観光の形が変化するのは、むしろ自然なことなのかもしれません。

おまけに、SNSで拡散されることで、地域に人が集まり経済が回り、これが地方創生の一つの形とも言えます。ちなみに、糸島エリアがここまで活性化したのは、SNS時代の恩恵が大きいでしょう。若い世代が地元に戻ってくるきっかけになっているかもしれません。

移住者が増えている理由にも「ドライブ文化」が関係している

最近、福岡県への移住者が増えているというニュースをよく目にします。その理由として「都市機能の充実」や「食の豊かさ」がよく挙げられますが、実は「車で楽しめる環境」も大きな要因になっているようです。

糸島市や糟屋郡は、福岡市のベッドタウンとして人気が高まっています。どちらも車で30分〜1時間圏内です。博多や天神に通勤しながら、週末は自然に囲まれた生活ができるというこの「いいとこどり」な暮らし方が、多くの人を惹きつけているようです。

糸島市は特に顕著で、海と山の両方が楽しめて、新鮮な農産物や海産物が手に入ります。しかも福岡空港まで40分というアクセスの良さです。移住者の多くが「車があれば不便を感じない」と口を揃えます。糟屋郡も似たような魅力があります。福岡市中心部への通勤は電車でもバスでも可能ですが、週末のドライブとなれば、車の出番です。篠栗の森林浴、須恵町の温泉、新宮町の海鮮など、エリアごとの個性を車で巡る楽しさが、生活の質を高めているようです。

おそらく、福岡という街は「車を持つメリット」が他の大都市より大きいように思われます。都心部は公共交通機関で十分カバーできるけど、車があればもっと生活圏が広がるというこの選択肢の多さが、移住先として選ばれる理由の一つになっているのじゃないでしょうか。

福岡ドライブは「無理しない楽しさ」が詰まっている

結局のところ、福岡ドライブが人気な理由は「無理をしなくていい」ことに尽きると思います。遠すぎない、疲れすぎない、それでいて特別感はちゃんとある。美味しいものがあって、綺麗な景色があって、写真も撮れる。それら全部が感じられることです。

東京や大阪のような大都市では、この「ちょうどよさ」を得るのが難しく、福岡という街のサイズ感と地理的条件が、絶妙なドライブ環境を生み出しているのでしょう。

もしあなたが福岡に住んでいるなら、この恵まれた環境をもっと活用してみてはどうでしょうか。そして福岡を訪れる予定があるなら、レンタカーを借りてみることを強くお勧めします。公共交通機関では味わえない、福岡の本当の魅力が見えてくるはずです。

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